女躰大神(にょたいおおかみ)
所在地:神奈川県川崎市幸区幸町一丁目994番地
御祭神:伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)
御由緒:神社創立の年代は不詳だが、永禄年間より女躰権現と称えられ、南河原村真言宗宝蔵院が別当職であった。 この地は、多摩川の南側にあったので、南河原村と名付けられた。降雨のたびごとに多摩川の土砂堆積し、田畑への冠水甚だしく洪水の都度流域が変化し、常に大きい災害を蒙った。遂に農耕が不可能な状態になった時、一人の女丈夫が水中に身を投じ、一身を犠牲に供した。その後は大いなる災害もなく、住民は農耕に励むことができた。これも女丈夫の偉大なる御徳の御陰と敬慕し、その偉業を称え、後世に伝えるため、多摩川辺りの俗称『ニコニコ松』の下に一祠を建立して、その御霊をお祀りした。その後、現在の位置に鎮め奉る。(神奈川神社庁「かながわの神社」から抜粋)
この珍しい名称の神社は、川崎駅から3分位のところに鎮座します。川崎県民センターに行ったとき、数回お参りしたことがあります。
ビル街のなかに、こんもりとした鎮守の森があります。それが、女躰大神です。
御由緒によると、水害の村を救うべく、水中に身を投じた女性の御霊をお祀りしたもののようです。当時の村人は、その自己犠牲の中に、「神」(神道でいう「神」)を見い出したのだと思います。
昨年、横浜市緑区のJR横浜線踏切内で老人を助けようとして電車にはねられ死亡した村田奈津恵さんを思い出しました。私たちの常識を超えた自己犠牲です。