先日、西和夫『図解 古建築入門―日本建築はどう造られているか』を読んで(記事はこちらから)、古建築の初歩的な知識や術語の知識が得られました。ただ、寺院建築を例にとった説明が中心だったので、神社建築について、もう少し知りたいものだと思っていたところ、次の本を見つけたので、読んでみました。
佐藤日出男『社寺建築の工法』(理工学社、1998年)
第1編「神社建築」で、社殿様式図例が示されます。文章による解説は少なく、図を中心とした説明です。大社造、大鳥造、住吉造、神明造、春日造、流れ造、八幡造、日吉造、権現造、祇園造、吉備津造、香椎造を採り上げ、その図例を示し、さらに、燈籠や鳥居の図例も示します。
第2編「社寺各部構造構造詳細」で、破風や斗栱などについて、図を多様した詳細な説明があります。
第3編「社寺設計図例」で、社寺設計のフローチャートを示した上で、具体的な社寺の設計図例を示してあります。
第4編「仏寺建築様式参考図例」で、仏寺建築の歴史と様式について解説し、各時代の仏寺建築参考図例を示します。
この本は専門家向なので、素人の私には、もちろん理解できないところが多いのですが、社殿様式図例などを眺めていると、とても楽しくなってきます。また、「社寺各部構造構造詳細」に示してある仕口などを見ると、こういう風に作るのかと良く分るところがあります。
古建築の術語は、漢字で書いてあると、どのように読むのかな迷ってしまうが、この本は、丁寧にフリガナが振ってあるので、とても助かります。