馬渕睦夫『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』

元外交官が著した、次の本を読んでみました。

 

馬渕睦夫『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』(ワック、2014年)

 

著者は、「まえがき」のなかで、「これまで70年の長きにわたり、マスメディアや教科書などによって、日本を貶めるための洗脳が行われてきました。」といい、「私たちが呪縛されてきた洗脳を解くための本です。」と言っています。

 

なにやら胡散臭い感じがしますが、読んでみると、とても論旨が明快で、わかりやすい。あくまでも、公開された情報をベースにして、主張が組み立てられているようです。

 

「なるほど、そう言われると、筋が通っている」という点が多数ありました。著者の主張がすべて真実かどうかはわかりませんが。

 

以下に、「第1章 世界史の逆説を見抜く鍵」を読んで、印象に残ったところを記してみます。

TPPは単なる経済問題ではなく、国家主権にかかわる問題です。TPPの行き着く先は、関税自主権を奪おうとするものです。

 

グローバリズムあるい国際主義というのは、突き詰めて言えば、各国から国家の主権を廃止することを目的としています。

 

グローバリストの代表格と言えば、日本で「外資」と呼ばれているウォールストリートやロンドン・シティの銀行家たちです。彼らの多くはユダヤ系です。

 

グローバリズムの背後にあるのが、実は「ユダヤ思想」です。ディアスポラ(離散)による国際主義と金融支配が、ユダヤ思想の根幹にあります。

 

ディアスポラ思想は、ユダヤ民族の身を守る安全保障の発想から出てきたものですが、いつの間にか、より確実な安全保障のために、あるいは、より多くの金銭的利益を求めて世界中を自分たちのシステムに変えていこうとする人たちが出てきたのです。

 

その考え方が、いま世界各地で問題を引き起こしています。金融至上主義、国境廃止、主権廃止、無国籍化を世界中に求めようとすれば、各国の国民性、民族性、勤労観などと衝突して軋轢が生まれるのは当然のことです。

 

ウォールストリートやロンドン・シティのユダヤ系金融資本家の多くは社会主義者です。資本主義の権化のようなウォールストリートの金融資本家たちがなぜ社会主義に魅かれたかというと、社会主義というのは国際主義であり、グローバリズムと非常に相性がよいからです。

 

日露戦争、ロシア革命、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争など、現在の東アジア情勢に繋がる歴史的出来事の背景にある金融の動きがわかれば、「なぜこんなことが起こったのか?」という数々の歴史的な疑問が解けてきます。

 

グローバリズムというのは、世界をディアスポラ化するイデオロギーです。人類をディアスポラ化し、ワン・ワールドにしてすべての人を無国籍にしようとしているところに大きな問題があります。

 

民族性、つまりナショナリズムというのは、国を持たないユダヤ人にとって相容れない考え方です。グローバル化という言葉で彼らが推し進める無国籍化の達成にとって、ナショナリズムは邪魔なのです。

 

彼らは、日本の民族性や団結力を潰す動きを日本の内部に起こさせようとしています。彼ら自身がやるわけではなく、代理人を使ってやろうとしています。その代理人となっているのが、日本人の左翼リベラルや在日の人たちです。

 

グローバリストの彼らにとっては、ナショナリストと言われる安倍首相やプーチン大統領は引きずり降ろさなければいけない存在です。その視点で見れば、現在の日本の置かれた状況やロシアの置かれた状況が理解しやすくなります。

   

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