明治天皇の御製を読んでいると、同時代の人はどのように読んでいたのか、オーソドックスな解釈はどのようなものだったのか、と思うようになり、次の本を読んでみました。
千葉胤明『明治天皇御製集』(大阪毎日新聞社、1922年)
著者は、1892年から宮内省御歌所に勤務し、1908年御歌所寄人になっている。明治天皇のおそば近くにいた人間による解説は興味深いと考えました。
本書の特長は、次のとおりです。
○ 大正11年に発行されているので、旧漢字・旧かなづかい。
○ 解説文は古風な文章。
○ 採り上げられている御製は250首。
○ 御製も解説文も総ルビ付き。
○ 目次はあるが、索引はない。
なお、本書は、当時発行されたものを入手することができなかったので、次の本に復刻収録されたもので読みました。
明治神宮『明治神宮叢書〈第7巻〉御集編(1)』(国書刊行会、2003年)
参考までに、以下に、本書から1首を引用してみます(漢字は新字体、ルビは省略)。
暇あらば ふみわけて見よ 千早ふる 神代ながらの 敷島の道
『謹解』 和歌は神代ながらの我敷島の道である、自然暇があったならば踏み分けてみるがよい研究してみるがよい。 フミワケテミヨは「こゝろざしてみよ」「入りたつてみよ」と言はんばからの意である敷島道とおほせられた縁で「踏みわけて」とあそばされたのである、畏くも、陛下はかくの如き忝き思召にて神代ながらの和歌、真心を本とした和歌を国民に御奨励あそばされたのである。 |