勝岡寛次『明治の御代―御製とお言葉から見えてくるもの』

明治天皇の御製を読んでいると、明治天皇の伝記のようなものを読んでみたいと思い、次の本を購入しました。

 

勝岡寛次『明治の御代―御製とお言葉から見えてくるもの』(明成社、2012年)

 

著者は、本書を「明治天皇の御製とお言葉(詔勅)を中心軸に据え、そこから何がみえてくるかという視点で、明治の御代を描こうとしたもの」だといいます。

 

本書は、次の7章からなってきます。

⑴ 明治天皇と六大巡幸

⑵ 大日本帝国憲法と明治天皇

⑶ 教育勅語と明治天皇

⑷ 日清・日露戦争と明治天皇

⑸ 明治の外交と領土問題

⑹ 明治天皇と明治の祭祀

⑺ 明治の終焉

  

本書は、318頁とやや分厚く、各頁に活字がびっしりと並んでいます。最初見たとき、失敗したかなと思ったが、読みはじめると、とても読みやすく、一気に読んでしまいました。

 

本書は、著者の明治天皇像を押し付けるようなところがありません。具体的な事実を積み上げ、上手に構成することによって、明治天皇の姿、明治の御代の姿をアリアリと読者にイメージさせてくれます。

 

振り仮名が適度に振ってあること、難しいことばには簡潔な解説が組み込まれていることも、本書を読みやすくしています。

 

随所に挿入された御製は、明治天皇の姿をイメージするのに、効果的に機能しているようです。

 

本書を読んで、現在の問題(たとえば、教育、領土、憲法、女系天皇、シナ・半島など)の多くがすでに明治天皇の時代にあったことが分ります。その問題に対し、明治天皇がどのように対応したかを知ることは興味深いことです。現在の問題を考える上でのヒントになります。

     

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