同じ著者による『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』を読んだところ面白かったので、次の本を読んでみました。
馬渕睦夫『日本「国体」の真実』(ビジネス社 、2015年)
著者は、本書は「現在の世界における思想戦に負けないために、日本思想の根本に存在する国体の本義を私なりに表現したもの」であると言います。
先日読んだ文部省『国体の本義』と比較すると、表現も内容も、抵抗なく読めるものになっているという印象をもちました。
以下に、本書を読んで印象に残った事項を記してみます。
日本を知るとは、日本の国柄を知ること。国柄とは、わが国を成り立たせている根本原理のこと。つまり、わが国体を蘇らせることである。
グローバリズムという未曾有の国難に襲われている日本が、国家存亡の危機を克服する道はただ1つ、国体の再発見にある。私たちの祖先は、古来、国家の危機を乗り越えるにあたり、常に伝統的な知恵の中に解決策を見出してきた。
国の根本原理である国体が政治、経済、文化を生み出している。日本を歴史を動かしてきた根底には国体がある。
わが国には『古事記』の神話時代以来、「民主主義」の伝統がある。わが国の国柄は、政治の世界においても2000年以上にわたって独自の「和」の民主政治を育んできた。国体に基づかない政治制度は結局国民の支持を得ることができない。
権威と権力の「二権分立」がわが国の政治形態の伝統である。わが国における権力とは、単に行政、立法、司法のいわゆる三権のみならず、財界、マスメディアなども入ります。これに対し、権威とは、天皇でありそれを支える国民です。
天皇の地位は、国民の総意、皇統の継続に対する国民の信仰、民族全体の思いに基づく。高天原の大御心を体現し、国民の幸せを祈っておられる天皇を得て、わが国は、1つにまとまっている。
高天原の大御心(霊性の至高性)をこの地上世界に伝え、継承してゆくには、男系による皇位の継承が絶対的に必要である。
「天皇に奉仕し」とは、現存の天皇という一個人に奉仕するということではなく、天皇が体現しておられる高天原の大御心に奉仕するということである。天皇を実際の政治において輔弼するのは、首相以下内閣の役割だが、天皇の高天原の大御心を輔弼するのは、国民一人ひとりの役割である。
自らの心の中に良心のあることを感じるが、その良心が高天原の神性である。良心を通じて、私たちは、高天原の神々とつながり、神々の大御心を継承しておられる天皇とつながり、同じ神々から生まれた国土自然ともつながっている。このようなつながりの精神が「和」である。
憲法とは国体を言葉で表現したものである。憲法改正は、高天原の大御心に添って行わなければならない。そうでなければ、国体と離れた空虚な憲法になってしまう。 |